無機塗料は、汚れが付きにくいだけでなく、耐火性や耐候性にもかなり優れた塗料です。
しかしながら、そんな優れた無機塗料にもいくつかの注意点がございます。
今回は、無機塗料を使う際の注意点と留意点についてご紹介いたします。
□無機塗料の注意点やデメリットとは?
数多くの美質を備える無機塗料にもやはり、注意すべき点やデメリットが3つございます。
1つめの注意点は、どうしてもひび割れが起こりやすくなることです。
無機塗料の性質として、乾くと硬くなる性質があるため、柔軟性において劣っているという特徴があります。
そのため、ひび割れが起こりやすく、特に外壁がひび割れのしやすい材質である場合、ひび割れのリスクが高まるため、無機塗料の使用は避けるべきでしょう。
2つめの注意点は、ツヤが出てしまうことです。
無機塗料を使用するとなると、必ずツヤが出てしまいます。
お客様の中には、ツヤがあると安っぽく感じるため、ツヤのある塗料を避ける方が多いです。
しかしながら、無機塗料には、ある程度ツヤが目立たなくされている種類はありますが、ツヤのない種類はありません。
また、ツヤが目立たない種類の商品は、添加剤を用いることでツヤをある程度消しているため、その分無機塗料の、突出して高い耐候性が弱まるでしょう。
以上のことから、ツヤの程度と機能性のバランスをしっかりと考慮し、塗料をお選びください。
最後の注意点は、塗れない可能性があることです。
無機塗料を使うのであれば、どういった素材のものに塗るかやどこに塗るのかによって塗装できない場合が出てきます。
最近は無機塗料にも様々な種類が出てきているため、改善されてきていますが、種類がまだ少ないため、無機塗装を使えない箇所がある可能性があります。
例えば、サイディングや木で作られた軒裏などへの使用は不向きでしょう。
ただ、この点に関しては、どの塗料にも向き不向きが存在するため、無機塗料であるが故の欠点ではありません。
以上が無機塗料の使用における重要な注意点です。
□無機塗料における留意点についてご紹介!
上記で述べた注意点以外にも、留意点が2つございます。
1つめは、無機塗料の特長である耐候性を十分に発揮させるにはプロの技術がなければ難しいことです。
これは無機塗料のみではありませんが、塗装することで塗料の機能を発揮させるには技術を必要とします。
無機塗料を塗る際には、表面の汚れと元々塗られていた塗料を完全に除去したうえで、均等な厚さを保って塗る必要があります。
2つめは、他の無機塗装が塗られた上から重ね塗りできない場合が多いことです。
無機塗装には汚れが付きにくいという美点がありますが、それによって新しい塗料が密着せず、朝には剝がれてしまっていることが多いでしょう。
□まとめ
今回は、無機塗料を使う際の注意点と留意点についてご紹介いたしました。
無機塗料はかなり優れた塗料です。
そのため、少し価格も上がりますので、しっかりと以上の注意点と留意点をおさえたうえで、お選びください。
塗装業で取り扱われる際に、ご参考にしていただければ幸いです。